アイさくらクリニック 美容医療

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GLP-1を使用しての減量について


GLP-1受容体作動薬は、従来の食事・運動療法や一部の内服薬と比較して減量効果が大きく、かつ比較的速く体重が落ちることが特徴です。
※約3か月で−5〜10%・約6〜12か月で−10〜15%以上(RCT)・週あたり0.5〜1%以上に達するケースもあります 
しかしその「スピードの速さ」は臨床上メリットにもデメリットにもなります。

 

メリット

早期に“成功体験”が得られる:1〜2か月で明確な体重減少→ 治療継続率が上がる
②代謝改善が早い:HbA1c低下や血圧・脂質改善もみられる
③食欲制御が「努力に依存しない」:視床下部への作用や胃排出遅延などがある 
④内臓脂肪が優先的に減少:体重減少の質が良い→メタボ改善効果が高い
⑤治療満足度が高い:見た目の変化が早いため 自己効力感↑

デメリット 

筋肉量も落ちやすい(重要):急速減量 → 除脂肪体重減少→ サルコペニアリスク 逆に肥満体質になる
  タンパク質摂取・レジスタンストレーニングが必要
代謝順応(停滞期が来る):初期は順調 → 途中で減らなくなる
リバウンドリスク(薬剤依存性) 急な減量は中止後体重の約2/3が戻る報告もあり
④ 摂食量低下による栄養不足:食事量が減りすぎる・高齢者・女性で問題となることあり
    鉄・蛋白・ビタミン不足
消化器症状(初期)→悪心・嘔吐・便秘などの観察、対策が必要
⑥心理的リスク(見落とされがち):「簡単に痩せる薬」という誤解から食行動の改善が置き去りとなる  
  中止後リバウンドしやすくなる

項目 GLP-1 従来薬 食事療法
減量スピード ◎ 速い △ ゆっくり
効果量 ◎ 大 △ 小〜中
継続性 ○(薬依存)
行動変容 △ 弱い ◎ 強い
リバウンド △ 高い ○ 低い

 

 GLP-1を使用しての減量 

 減量の目標値
ⅰ最初の1ヶ月(スタート期:準備期(慣らし期間))
 食欲低下・胃排出遅延が出現
 悪心など副作用あり
 減量目標:元々の体重の0〜2%程度
 
ⅱ1~3ヶ月(加速期)
 食欲抑制が最大となる
 副作用もほぼ消失
 減量目標:週あたり:0.5〜1%(理想ゾーン)
      元々の5~最大10%とする(これ以下に留める) 

  Weight Change With Semaglutide diabetes-drug-helps-with-weight-loss-in-both-diabetics-and-non-diabetics
 
ⅲ3ヶ月~(維持期)
 ここがポイント(生活習慣を固定化:食生活:運動週間・睡眠週間など) 
 3ヶ月以上の維持で体がこの体重が自分の基本値と認識
 (恒常性維持機構にスイッチを入れる)  

    過体重または肥満の成人に対する週1回投与のセマグルチド

GLP-1は『痩せる薬』ではなく、痩せやすい状態を作る薬・放置すると筋肉も落ちる薬

  筋肉を落とさない減量
ⅰ 基本原則(最重要3つ)
 A 体重より「筋肉を守る」ことが優先
 B タンパク質+筋トレがセット
 C 急ぎすぎない(週0.5〜1%以下での減量)
ⅱ1日の栄養目標
 A:タンパク質(最重要)→体重 × 1.2〜1.5g /日 例: 60kg → 72〜90g 70kg → 84〜105g
 B:エネルギー(カロリー制限)→ −500 kcal/日程度の軽い制限に留める 
   ※GLP-1使用時は自然に減るため『食べなさすぎ』に注意
 C:栄養の質→高タンパク(肉・魚・卵・大豆)・低GI・ビタミン・ミネラル補充(女性は鉄)を意識する
 D:食事の具体例
   朝 ゆで卵 + ヨーグルト + プロテイン
   昼 鶏胸肉 or 魚 + ご飯(少量) + 野菜
   夜 豆腐・魚中心(脂質控えめ)
   間食(重要)→食欲低下時の補助 プロテイン・ナッツ・チーズなど 

ⅲ運動(これが筋肉維持の核心)
 最低ラインとして→ 週2〜3回の筋トレ(無酸素運動)→スクワット 10回 × 3セット・腕立て(膝OK)・腹筋など
             有酸素運動→ウォーキング 20〜30分~ 

  

NG行動 (やってはいけない行動)

  食事を抜く→NG行動  
  タンパク質不足→NG行動  筋肉が減る(サルコペニア) 
  有酸素運動だけ→NG行動  無酸素(筋トレ)が主体
   急激な減量→NG行動   ゆっくりと減量

「体重が減っても筋肉が減ったら意味がありません」 
「筋肉を守ることがリバウンド予防です」
GLP-1は強力だが→『放置すると筋肉も落ちる薬』  
成功の鍵→ タンパク質 × 筋トレ